技術情報

家畜技術情報

消毒薬についての知識を持とう!

釧路中部事業センター 標茶家畜診療所
獣医師 村本 萌里季

 今年は、例年に比べサルモネラ症が多く発生した気がします。一度農場で発生すると対策が必要で、清浄化まで多大な労力と時間が必要になります。サルモネラのみならず、ヨーネ病、BVD、マイコプラズマなどの感染症を一度農場に持ち込んでしまうと、農場内で広まり、酪農家の大きな悩みの種となってしまいます。では、これらの感染症に対してどのように対応していけばよいのでしょうか。今回は、農場を守るための消毒薬の知識をご紹介します。

〇 防疫(農場を感染症から守る)の考え方
 3大原則
  ①牧場に持ち込まない
  ②牧場で広めない
  ③牧場の外へ持ち出さない

が重要となってきます。これを実践する上で消毒薬の知識が欠かせません。
 感染症対策において、平常時と非常時(感染症が発生した場合)に分けて考えることも大切です。平常時には、逆性石鹸(生体にも使用可能)を使用すれば十分と言われています。疾病が流行した際はそれに応じて使用する消毒薬の種類を変える必要があります。消毒薬ごとに効く病原体の種類が異なるので図1を参考にしてみてください。
 例えば、子牛の下痢症の原因となるロタウイルスに対しては、ウイルス(膜なし)に属するので塩素系、ヨード剤、アルデヒド剤が効果を示します。

〇消毒薬を使用する時の注意点
ポイント①有機物(糞、飼料、ホコリ)があると効果が弱まる
→定期的に消毒槽を交換しましょう。(図2)



ポイント②用法、用量を守る
→濃度が薄くなると殺菌効果が期待できず、濃くなると一般的には殺菌効果が強くなりますが、牛体に使用する場合副作用が起きる可能性もあります。

ポイント③温度に注意
→消毒薬の殺菌力は、一般的に温度の上昇に伴って高まり、低温下で弱まるため50度くらいの温水を使用すると効果的と言われています。塩素系やヨウ素系消毒薬は、温度の上昇に伴い蒸散するので殺菌効果が低下してしまうことがあるので、20度くらいの常温で使用するのが良いでしょう。

ポイント④塩素系は他の消毒薬と絶対に混ぜない
→塩素系は酸性です。逆性石鹸(アルカリ性)と混ぜると効果がなくなります。
 消石灰はみなさんが一番よく使用している消毒薬なのではないかと思います。消石灰は粉のままでは効果がなく、液体と混ぜることでアルカリとして効果を示します。また、逆性石鹸の効果を増強するのでコンビで使うことで消毒効果が強まります。

 消毒薬の使い方は様々です。
農場ごとに発生している疾病の種類も異なります。消毒剤の使用法にお困りの際はセンター・診療所の獣医師までご相談ください。

Brix測定器

 

図1: 釧路総合振興局ホームページを参考
図2: 釧路総合振興局ホームページより引用


 > 技術情報一覧

 

TOP