獣医師だより

新人獣医師の奮闘を紹介「2015 Mr. N」

NOSAI道東で活躍する獣医師♠

新人獣医師勉強中

別海町の西部を担うNOSAI道東 根室西部事業センター。
春に大学を卒業し、獣医師として赴任したのは、静岡県出身のN。
Nの獣医師人生がスタートした別海町は、日本一の牛飼育頭数と生乳生産量を誇ります。牛の数は人口の7倍以上と、まさに酪農の町。さらに草地面積も日本一、広大な牧場が広がります。 町の中央には、摩周湖が水源といわれる清流西別川が流れ、豊かな水が町を潤しています。
この町で、獣医師として歩み始めたNの学びながら働く姿を紹介します。

朝、診療受付~準備~診療へ

  • まずは、前日の乳汁細菌検査

  • 農家さんから診療依頼の電話を受け

  • 診療用具を準備

  • 診療する牛の症状について調べておく事も

  • 診療に出発~

1件目、2件目

  • 1件目到着…と思ったら Uターン?取材に緊張?農家を間違えました~

  • 1件目は廃用牛の確認と書類作成

  • 畜主さんに缶コーヒー頂きました

  • 2件目、薬を処方して3件目に行こうとしたら…

  • 初めての牧場、入口を間違えました…慣れないと同じように見えて

産後立てなくなった牛の診療

  • 出産後、立てなくなり、足も曲げたままで呼吸も荒い、ちょっと心配な牛を一通り診療

  • さまざまな症状が疑われるので…念のため電話で先輩に診療の相談

  • カルシウム剤の点滴をすることに

  • 牛の体勢が悪いので手伝ってもらって起こし…

  • 熱中症も疑われるので水をかけました

立てなくなった牛の診療

  • 足を針で刺しますが、反応が弱いです

  • 体温を測り畜主さんに症状を聞き…

  • 聴診

  • さらに乳房炎の検査

  • 筋炎のようなので、血液検査と消炎剤を注射します!

  • 症状と治療を説明して診療通知書を渡します

食欲不振の診療

  • 触診

  • 子宮を検診しながら畜主さんに症状を説明

  • 強肝剤を点滴

  • 血液を持ち帰り検査します

  • 処置と今後の診療方針を伝えて…

  • 診療終了!事業センターに帰ります

午後は、手術とカルテ書き

この日の手術は、未消化物が胃から結腸まで詰まり食べた物の通過がほとんどできない牛の手術でした。腸管の捻れはありませんでしたが、広範囲に詰まる未消化物を取り除くため、牛の体位を変えつつ2ヶ所の手術創からアプローチしました。
先輩の手伝いをしながら手術に参加しました。大変な手術でしたが、最も近い場所で先輩の技術を盗む機会を得られた、とても勉強になる時間でした。牛の手術の難しいところは、多くの場合、お腹の中で何が起きているのかを手探りで把握しなくてはならないところです。解剖学的知識から臓器の位置をイメージし、感触などから臓器を判別する力が必要になります。周りで見て学ぶのみでなく実際に手で触れながら経験を重ねることが技術向上に非常に重要となります。

手術を手伝いながら…経験を重ねます

  • 気合いを入れて?手術の準備

  • 牛を手術台に固定

  • 検査用の血液を採取…

  • 簡単な手術は一人でやりますが、難しい手術は手伝いながら勉強

  • 要点を聞くのも忘れずに…

  • 診療した牛の細菌検査や血液検査の手配

  • 書類の整理、カルテを書き込んで1日の作業が終了です

獣医師 Nから、獣医師をめざす皆さんへメッセージ

今年の春に6年間通った九州の大学を卒業し、実家のある本州を飛び越えて根室の西部事業センターに配属になりました。雪とは無縁の地で育ってきたので北海道の冬を無事に乗り切れるか心配ですが、中学生の頃から憧れていた土地で大動物獣医師として働けることをとても嬉しく思っています。
別海町は広大な平野が広がる景色の素晴らしい自然豊かな町です。この大自然の中で、日々の診療を通して自分に足りない多くのことを学ばせていただいています。
産業動物の診療は動物の命に関わる点はもちろん、農家の方々の生活に関わる点でも非常に責任の重い仕事です。獣医師として診療には出てはいますが、大学で学んだこと以上の知識・技術が必要とされ、正直なところ、判断に迷うことや自分では対処できない事例に出会うこともまだまだ少なくありません。農家の方々に不安を与えてしまうこともあると思います。そんな中で迷惑をかけつつも何とか働けているのは、先輩獣医師や農家の方々に優しく、時に厳しくご指導いただいているおかげです。情けない自分に落ち込むことも多少ありますが、それ以上のやりがいと夢見た仕事ができる喜びを感じて毎日楽しく過ごしています。
今は力不足で周囲に迷惑をかけてしまう不甲斐ない自分ですが、日々成長し、お世話になっている方々の力になれるよう全力で勉強・努力していきたいと思います。
(2015年9月)


こんな風景の中を走って診療しています

別海町は、面積約1,320平方km、北海道で5番目に広い町です。
となりの牧場まで数km離れている事も多く、ひたすら続く牧草地の中を走る道路のため間違えることもしばしばです…。
道を憶えるのも大変ですが、美しい牧場風景の中を走るのは爽快で、車の運転が楽しい町です。

  • 緑の牧場地域がつづく別海町西春別

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